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2018年4月21日 (土)

V.Viana & S.Zyngier(2017).「Exploring New Territories in Pedagogical Stylistics: An Investigation of High-School EFL Students' Assessments」を読む(『Language and Literature』)

Literary Awarenessの授業実践をブラジル人高校生英語学習者に実施し、その振り返りレポートを元に学習効果が検証されています。著者は、教師による直観ではなく、具体的なデータに基づいて文学を使った外国語教育の効果を検討していく必要があると述べています(著者曰く、このようなEFL環境下での研究はまだまだ不足しているとのことです)。

 

Viana, V., & Zyngier, S. (2017). Exploring new territories in pedagogical stylistics: An investigation of high-school EFL students' assessments. Language and Literature, 26 (4), 300-322.

 

概要

著者らは、literary awarenessは、機能主義言語学、読者反応批評理論、批判的教育学、に基づいたものであり、そのワークショップには(1) reacting to linguistic patterns(2) reflecting(3) contextualizing(4) creating、という4つの段階が含まれるとしています。さらに、literary awareness“a program which aims at sensitizing students to verbal artistry” (p. 300) と定義されています。

 

このワークショップには、40名の高校生が参加しました。彼らのおよそ半分は自分は一般的にはgood readerであるという自己評価をする一方で、同じく半数の学習者は文学読者としては平均的であると考えています(p. 309)。著者らは、iconicityに関する単元(具象詩などが使用されています)の最後に学習者に書かせた振り返りレポートをもとに、literary awarenessは学習者にどのような効果を及ぼしたのか検証しています。

 

この論文では質的分析がなされていますが、その大まかな結論としては以下のように述べられていました。

 

“this study has shown that the students had the opportunity to work genuinely with a foreign language, to feel autonomous enough to play with it (Carter, 2000) and to see how the skills they exercised may apply to the world outside the classroom. In this sense, the experience has been transformative (Freire, 1980). In a very short period of time, they felt quite comfortable speaking out in a language that they did not fully command – and were heard.” (p. 318)

 

このワークショップに対する学習者の評価は主に好意的であり、さらにiconicityという現象は実は日常生活にもあふれていることを十分理解することが出来ていたと報告されています。そして、“we can state that pedagogical stylistics in this specific high-school EFL environment has helped students to read the text and the world” (p. 318) と括られていました。

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