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2018年4月24日 (火)

中澤潤(2005).「マンガのコマの読みリテラシーの発達」を読む(『マンガ研究』)

著者はすでに他の論文の中で、マンガの読みリテラシーには、個々のコマを理解するリテラシーとコマの連続からストーリーの流れを理解するリテラシーの2つがあることを示しています。この論文では、「マンガの読みのリテラシー技能の一つであるコマの読みとりのリテラシーの発達的な変化を、人物絵、表情、形喩、吹き出し表現、音喩、コマの感情表現という側面から取り上げ、幼児、小学146、中学2年生を対象に検討した」(p. 6)とあります。

 

なお、同著者の他の論文については以下のリンク先を参照ください。

http://takayukinishihara.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/2004-c957.html

 

中澤潤(2005).「マンガのコマの読みリテラシーの発達」.『マンガ研究』,76-21

 

概要

ここでは結果のみ紹介します。著者は、本研究の結果に関して、以下のようにまとめています。

 

「コマの読み取りのリテラシーは、発達につれ上昇した。クラスター分析によると、コマの読み取りのリテラシーは、相対的に容易なもの、徐々に獲得されていくもの、難しいものに分かれた。容易なものは、ステレオタイプ的で記号的な人物表現、喜びや怒りなどの基礎的な表情、物理的な動きを反映した形喩等であった。難しいものは、高度に抽象的な形喩や音喩などによる心理的表現であった。」(p. 6

 

また、今回中学2年生において男女差が見られた(クラスターが分かれた)ことに関しては、次のような可能性が提案されています。

 

「子どものマンガの読みは年少期の男女の区別のない幼少マンガから、性別の少年マンガ、少女マンガへと興味が分化していく(明石, 2004).特に少女マンガの読みについてはかなり高度なリテラシーが必要とされているが(村田, 1994)、中学2年女子が少女マンガの読み体験の蓄積からそのようなリテラシーを獲得し始めることが、中学2年女子の読みのクラスターに反映されているのかもしれない。」(p. 19

 

私は不勉強であまり知らなかったのですが、日本語におけるマンガの読解リテラシーについてはかなり多くの研究がなされているようです。

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