« A.M.Jacobs(2015).「The Scientific Study of Literature Experience: Sampling the State of the Art」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | S.M.Lamb(1969).「Lexicology and Semantics」を読む(A.A.Hill(編),『Linguistics Today』,Basic Books) »

2017年3月 9日 (木)

Jacobs(2015)のコメント論文を読む

先週紹介したJacobs (2015)に対するコメント論文を2本読みました。Jacobsの主張に大筋で賛成しているものの、それぞれの論文で、各著者が考える不足点が補足されています。

Kuiken, D. (2015). The implicit erasure of "literary experience" in empirical studies of literature: Comment on "The scientific study of literary experience: Sampling the state of the art" by Arthur Jacobs. Scientific Study of Literature, 5 (2), 171-177.

概要

著者は、以下の3点を補足点として指摘していました。

  1. 文学経験の研究を行う上で、概念の収束的妥当性については考慮されているが、弁別的妥当性に対する配慮が希薄である
  2. Jacobsは、experiential measuresよりも、neurocognitive measuresやbehavioral measuresの方をその客観性ゆえに重視しているようであるが(Jacobsは後者2者が基準となり、前者は後者の予測に従うべきものと考えている)、後者2者自体が一体何を表しているのか、その妥当性の研究が必要である
  3. Jacobsは現象学的アプローチについて言及しているが、その役割を過小評価している(著者は、"category-altering explication of particular regions of experience" (p. 175) も考慮に入れ、むしろこれをその重要な役割とみなすべきとしています)

Dixon, P., & Bortolussi, M. (2015). Measuring literary experience: Comment on Jacobs (2016). Scientific Study of Literature, 5 (2), 178-182.

概要

著者らは、以下の3点を補足点として指摘していました。

  1. 文学経験の研究は、読解終了後の様々な時点について研究すべきである
  2. 測定方法をtemporal relationship(onlineかoffline)×Inferential relationship(Indirectかdirect)で整理すると有益である
  3. 測定による文学経験のゆがみについても十分に配慮すべきである

|

« A.M.Jacobs(2015).「The Scientific Study of Literature Experience: Sampling the State of the Art」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | S.M.Lamb(1969).「Lexicology and Semantics」を読む(A.A.Hill(編),『Linguistics Today』,Basic Books) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« A.M.Jacobs(2015).「The Scientific Study of Literature Experience: Sampling the State of the Art」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | S.M.Lamb(1969).「Lexicology and Semantics」を読む(A.A.Hill(編),『Linguistics Today』,Basic Books) »