« P.Dixon&M.Bortolussi(2011).「The Scientific Study of Literature: What Can, Has, and Should Be Done」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | 名執基樹(2011).「オートポイエシス論は文学テクストの夢をみるか?-ドイツ文学システム論争を超えて-」を読む(『ドイツ語文化圏研究』) »

2012年3月14日 (水)

R.J.Gerrig(2011).「Individual Differences in Readers’ Narrative Experiences」を読む(『Scientific Study of Literature』)

読者の生活上の経験の違いが文学作品の読解に具体的にはどのような影響を与えるかということについて少し突っ込んで議論(論考)している論文です。論文の詳細は以下の通り。

Gerrig, R. J. (2011). Individual differences in readers’ narrative experiences. Scientific Study of Literature, 1 (2), 88-94.

感想:読者の経験は文学作品の読解に影響を与えると一言で言ってしまえばそれまでなのですが、著者はこの問題についてもう少し詳しく議論をしています。読者は生活上の経験が違えば、構築する心的表象も異なりますし、作品読解中に行う推論も異なります。また、読者は登場人物の行動と登場人物の目的が適合しないような場合には理解するのに困難を覚えることがすでに調査で明らかにされているそうですが、どのようなときに個々の読者が両者が適合していない(または適合している)と判断するかはやはり読者の生活上の経験の違いによって大きく異なることになるようです。また、著者は生活上の違いが作品への反応にも大きく影響を与えることについても強調しています。もちろん、読者の生活上の経験の違いは価値観、モラル、感情などの側面にも影響を与えることが予測されるため、著者は読者の生活上の違いがどの程度文学作品の読解に影響を与えるのかということもこれから積極的に調査していくべきであると主張していました。

|

« P.Dixon&M.Bortolussi(2011).「The Scientific Study of Literature: What Can, Has, and Should Be Done」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | 名執基樹(2011).「オートポイエシス論は文学テクストの夢をみるか?-ドイツ文学システム論争を超えて-」を読む(『ドイツ語文化圏研究』) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« P.Dixon&M.Bortolussi(2011).「The Scientific Study of Literature: What Can, Has, and Should Be Done」を読む(『Scientific Study of Literature』) | トップページ | 名執基樹(2011).「オートポイエシス論は文学テクストの夢をみるか?-ドイツ文学システム論争を超えて-」を読む(『ドイツ語文化圏研究』) »