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2008年6月25日 (水)

佐々木真(2006).「ことばを教える 英語教育への応用」を読む(龍城正明(編),『ことばは生きている 選択体系機能言語学序説』,くろしお出版)

佐々木真(2006).「ことばを教える 英語教育への応用」.In龍城正明(編),『ことばは生きている 選択体系機能言語学序説』(pp. 135-154).くろしお出版.

感想:これまでの理論的な話を英語教育という場に応用しようという試みです。英語教育内容学を専攻する人にとってはとても興味深い章ではないでしょうか。著者が言うには、これまでの英語教育は文の正しさに重きが置かれたり、コミュニケーションといっても表現を羅列して覚えさせるといった試みが中心であったそうです。しかし、選択体系機能文法を使えば、そのテクストが何を目的としているのか(ジャンル)、どのような場面でどのような人々の間で使われるのか(言語使用域)といった点を取り入れることになります。さらには、ジャンルの構造-談話-語彙文法-音声または書記、といったように一貫した形で指導ができます。これまでの英語教育がhow to say/writeであったのに対し、このアプローチではhow to meanが主眼となります(p. 138)。そして、「社会の中でやりとりされる意味を理解したり作り出す力を育てること」が言語教育の目的と考えられています(p. 139)。更に、文法的比喩なども重要な要素となるようで、名詞構文の説明などに役に立ちそうです。最後には、実際の授業の流れについて説明してあり、選択体系機能文法を使った英語の授業がどのようなものであるのかを、具体的に示してある点がとてもリーダーフレンドリーだと思いました。授業案の中にはすぐにでも使えそうなことも書いてあり、とても面白く読みました。

これで、本書は全ての章を読んだのですが、色々と勉強になりました。これからもちょくちょく選択体系機能文法の文献を読んでいけたらなあと思います。

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コメント

はじめまして。偶然貴サイトを発見し、拙論にお褒めの言葉をいただいているのを知ってうれしく存じます。上記のサイトにお越しいただければ、拙論がすべてダウンロードできますので、よろしければご参照ください。特に近年はSFLの英語教育への応用が主たる研究テーマとしています。

投稿: 佐々木真 | 2008年6月28日 (土) 09時23分

訂正です。私のサイトへは「投稿」の欄に記載されている名前をクリックしていただければ自動的に飛ぶようです。

投稿: 佐々木真 | 2008年6月28日 (土) 09時25分

コメントありがとうございました。とても充実されたホームページをお持ちですね。色々と勉強させていただければと存じます。ありがとうございました。

投稿: 西原貴之 | 2008年6月28日 (土) 13時09分

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