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2007年1月27日 (土)

2007年1月26日金曜日

今日の授業:

Academic Discourse Practice: Reflection on Term 1 ADP and writing experiences

今日の読み物:

Wodak, R. (2004). Critical Discourse Analysis - Theory and methodology. In C. Seale, C. Gobo, J. F. Gubrium & D. Silverman (Eds.), Qualitative research practice (pp. 197-213). London: Sage.

感想:この論文では、CDAの歴史、その研究課題、研究方法などがかなり詳しく説明されています。しかし、CDAについてそこまで知識がない場合は、少し理解しにくいかもしれません。実際、僕はこの言語学についてあまり知識を持っていないので、理解できなかった部分も少しありました。ですが、この学際的な分野の特徴を大まかにつかむことができ、とてもためになったと思っています。とてもいい論文です。

今日のエンターテイメント:

●フラットメートの中の5人でWater Witchへ飲みに行きました。色々話ができて楽しかったです。また、帰って来てから、キッチンで少し小腹を埋めたあと、ウノで少しだけでしたけれども遊びました。楽しかったです。

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2007年1月25日木曜日

今日は、英語史の先生がお休みで、急遽他の先生による特別講義となりました。

今日の授業:

Corpus Linguistics (Seminar): Introduction to part-of-speech annotation and the BNC Sampler

The History of English: Sound change: In English's history and in the present day

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2007年1月24日水曜日

今日はコース・ミーティングがあって、チューターへの要望やいくつかの問題について話合いました。代表の人が、全体会でそのミーティングの結果を報告することになっています。また、アサインメントの結果はみんな思っていたよりも低かったらしく、みんなちょっと意気消沈していました(僕も含めて)。

今日の授業:

Critical Discourse Analysis: The Discourse-Historical Approach I

RIAL Workshop (Researching Learner Language): Error analysis and analysis of obligatory contexts

今日の読み物:

Smith, J. (1996). An historical study of English: Function, form and change. London: Routledge. Chapter 2 (On evidence)

感想:この本では、philologyとlinguisticsは相補的な関係であるとみなしています。したがって、テクストそれ自体の歴史やコンテクストを考慮にいれることが英語史の研究において必須であるという立場を取っています。また、英語史において書き言葉と話し言葉の関係を明らかにすることが重要な課題であるということも指摘されていました。その後、OEやMEの言語データについて簡単に触れ、それらのデータからどのような研究ができるのか、どのようなことを明らかにすることができるのか(また研究の限界)が触れられ、とても興味深かったです。さらに、現代英語から過去の英語を再構築する方法も紹介されていました。これは、過去のデータだけでは研究の限界があるため、現在の英語を利用せざるをえないという状況が関係しているとのことです。再構築の方法としては、comparative reconstructionとinternal reconstructionが紹介されていました。しかし、これらの方法によって明らかになったものはあくまでも仮説の域を出ないため、取り扱いには注意が必要とのことでした。次に、最初に触れたテクスト分析に関連して、時代時代(OEとME)の問題点が扱われています。最後は、ModEの時代の言語を取り上げ、そのテクスト分析の実例が示されていました。これらのテクスト分析は、言語研究をする上でやはり必須となるようですね。

今日のエンターテイメント:

●タウンへ買い物:日曜日にちょっとしたパーティーをすることになっていて、その買出しも兼ねてSainsburyへ行ってきました。

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2007年1月23日火曜日

今日は授業はありません。でも、sociolinguisticsのassignmentが返却されてきました。合格していたので、一安心です。

今日の読み物:

Ellis, R., & Barkhuizen, G. (2005). Analysing learner language. Oxford: Oxford University Press. Chapter 3 (Error analysis)

感想:タイトルの通り、誤答分析についての章です。かなり詳しく議論がされており、また誤答分析全盛期以降の誤答分析についての話もされていたので、かなり面白く読みました。方法論のみならず、その理論的立場、誤答分析と第二言語習得論の発展なども知ることができる、かなり優れものの一章でした。

Ellis, R., & Barkhuizen, G. (2005). Analysing learner language. Oxford: Oxford University Press. Chapter 4 (Obligatory occasion analysis)

感想:Brownなどに端を発する研究方法について概説がなされていました。この章も、この方法論及び、その理論的立場や第二言語習得論の発展(形態素の習得順序)を知ることができます。とても面白く読むことができました。

Smith, J. (1996). An historical study of English: Function, form and change. London: Routledge. Chapter 1 (Introduction)

感想:英語史の本です。この本は言語を社会的で機能的なものとみなします。そして、この本ではhistoryとchronicleの違いに触れ、この本ではhistoryをすると宣言します。つまり、ただ、過去の事実を羅列していくのではなく、なぜそのような変化が起こったのか、といったことを何とか明らかにしていくという立場を取るということが述べられていました。また、言語変化とは、ある特定の変異が選択され、それが体系的な発展を伴うことであると述べられていました。

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2007年1月22日月曜日

今日の授業:

Corpus Linguistics (Lecture): Text annotation and linguistic annotation

今日の読み物:

Ellis, R., & Barkhuizen, G. (2005). Analysing learner language. Oxford: Oxford University Press. Chapter 2 (Collecting samples of learner language)

感想:この章では、最初にnon-linguistic perfoamance data(例えば、文法性判断テストなど)に簡単に触れ、これらのデータはあまり有用ではないとした上で、verbal dataの話を進めていきます。著者らは、データを3種類に分けています。それらは、naturally-occurring samples、clinincally elicited samples、experimentally-elicited samplesです。理想的なデータは、naturally-occurring samplesであるという立場を取っています。それぞれについて詳しく解説がなされており、面白かったです。また、もしvariationalistの立場を取るのであれば、vernacular styleのデータはnaturally-occurring samplesから、careful styleはexperimentally-elicited styleから研究が可能であるかもしれないということが指摘されており、この点も面白いと思いました。

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2007年1月21日日曜日

今日は、Week 1の疲れを癒すべく、一日完全オフとしました。やはり、授業が始まると知らず知らずのうちに疲れがたまります。

今日のエンターテイメント:

●食事があまったということで、台湾人の友達に夕食に急遽呼んでもらいました。ちょうど夕食を食べていなかったので、ナイスタイミングで助かりました。

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2007年1月22日 (月)

2007年1月20日土曜日

今日の読み物:

橋田浩一(2001).「言語処理の計算モデルの概観と今後」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 451-460).大修館書店.

感想:この分野に関してはほとんど背景知識を持っていません。しかし、その研究の進展を知ることができました。この論文では、主に記号論的アプローチが扱われており、コネクショニスト・モデルは扱われていませんでした。とても面白かったです。

ライアン,M.(2006).『可能世界・人工知能・物語理論』(岩松正洋(訳)).水声社.(原著は1991年出版)第3章(テクスト宇宙の再構築-最小離脱法則)

感想:「テクスト世界の中に、現実世界の対応物が出てきた場合、特に断りがない場合はその対応物を極力現実世界のものと同じものとして解釈せよ」という原則の説明がなされていました。とても興味深い法則で勉強になりました。しかし、この最小離脱法則は、現実世界の情報だけでなく、あるジャンルの中で構築されてきた情報(つまり間テクスト性の問題ですね)も投射することを可能とするそうです。そうすることによって、御伽噺の中でお姫様に性的描写を求めないというようなことも説明可能となります。この章では、間テクスト性と最小離脱法則は相補的なものとして扱われていました。また、この最小離脱法則は挑戦することも可能であり、そうすることで『不思議の国のアリス』などの話も取り扱い可能となります。最後に、この章では虚構と反事実文や夢の報告を区別していました。虚構では、虚構世界での一人称代名詞は、作者の対応物としてみなされないが、反事実文などでは、一人称代名詞は話者の対応物とみなされるということでした。

Ellis, R., & Barkhuizen, G. (2005). Analysing learner language. Oxford: Oxford University Press. Chapter 1 (Introduction)

感想:この本は、分析方法を学ぶことを通して第二言語習得論についての知見を読者に深めてもらうことを意図して書かれたそうです。なかなか、興味深い構想の本だと思いました。この章で述べられていた興味深いことを箇条書きで挙げますと、「第二言語習得」のい二つの意味(研究対象としての意味と研究分野の名前としての意味)、概して第二言語習得論は学習者のimplicit knowledgeの解明に関心がある、学習者言語の変異性の3つの扱い方、学習者言語の2つの見方(表出と内容)、などがありました。また、最も面白いと思ったのは、"in SLA the ties between research design on the one hand and data collection methods and methods of analysis on the other hand are relatively loose" (p. 12)という言葉でした。これは、第二言語習得論には様々な理論的立場があることに加えて、"a belief in the validity of learner language as the primary source of evidence for L2 acquisition" (p. 9)ということがあります。後者に関しては、第二言語習得論は自然状況で発話された言語データを最良と考えるので、どのような理論的立場の研究であろうと、どのような研究目的であろうと、どうしても質的なデータ収集方が関わってきます。また、その後に数量化したりすることで、量的な分析方法などが関わってくるかもしれません。この指摘はとても重要ですね。英語教育学もしかりで、だからこそ研究法などの知識というのは重要になってくるのでしょうね。

Wodak, R. (2001). What CDA is about - A summary of its history, important concepts and its development. In R. Wodak & M. Meyer (Eds.), Methods of critical discourse analysis (pp. 1-13). London: Sage.

感想:タイトルの通り、CDAとはどのような学問分野なのか、どのような問いを扱うのか、といったことが素描されていました。CDAは1991年のシンポジウムを正式な誕生の時としているようです。それ以前にも個別の研究がなされていたり、Critical linguisticsがあったりと、前任者はいるのですが、CDAとして体系的な研究がなされはじめたのは1990年代に入ってからとのことです。また、その理論の根底には選択体系機能文法、フランクフルト学派、Foucaultなどの批評理論がかなり影響を与えているようです。CDAはlanguage as social practice (p. 1)と言語をみなすことからスタートし、その言語が社会や歴史の中でどのように生成されるのか、といったことを扱うそうです。また、CDAの中にもいくつか学派があるようで例として、The Duisburg school(Foucaultの影響を強く受けている)が揚げられていました。とても新しい分野ですし、活気もあるし、とても読んでいて心地よかったです。

今日のエンターテイメント:

●日本人同士でThe Grad Bar&私の部屋でお酒&会話をしました。とても楽しかったです。

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2007年1月21日 (日)

2007年1月19日金曜日

今日は、Academic Discourse Practiceが休講だったので、授業はありませんでした。

今日の読み物:

山鳥重(2001).「神経心理学から見た言語の産出と理解」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 251-259).大修館書店.

感想:この論文では、神経言語学的な知見を利用する際の重要な点が指摘されていました。それは、言語理解に関しては、結局直接的な観察をすることができず、常に、産出データを介在して推定しているに過ぎないというものです。この点は非常に重要だと思います。論文の内容は、一見同じに見える言語障害であっても、様々な病態が関係しているということでした。面白く読ませてもらいました。

ライアン,M.(2006).『可能世界・人工知能・物語理論』(岩松正洋(訳)).水声社.(原著は1991年出版)第2章(可能世界と到達関係-虚構の意味論的分類)

感想:この章は、この本の中で最もよく言及がなされる部分です。主に、現実体系とテクスト体系の間の宇宙間関係を記述するためのレパートリーを列挙し、それぞれの項目が破られたとき、あるいは複数の項目の破綻の組み合わせにより、どのような虚構世界が現れるのかが論じられていました。最も大事なのは、到達可能性の条件で、認知文体論ではよく引用されます。しかし、注意事項として、到達関係の査定は歴史の中で相対的に変化すること(p. 79)、到達関係はジャンルの文化に関わるがその関わり方はあくまでも相関的であり絶対的ではないこと、が挙げられていました。特に後者に関しては、意味を多様化するための補助因子を導入する必要があることが述べられていました。その他、重要な点として、レパートリーに歴史的一貫性、心理的信憑性、社会経済的両立、といった項目を含めることが将来的に必要になること、虚構性は現実世界とテクスト現実世界の関係と結びついていること、が述べられていました。最後に、本章の結論部分に、注意書きとして書かれていましたが、到達関係は虚構性の公平な尺度にはなってくれるが、絶対的な基準ではないということが強調されていました。最終的には、読者のテクストに対する期待や態度といったものによって虚構性は決定されるとのことです。しかし、この章でレパートリーとして挙げられていた項目は非常に有用な枠組みとなることは明らかで、確かに修正の余地はあるのでしょうけれども、それでも文学テクストの分析にはとても便利な道具ではないでしょうか。

今日のエンターテイメント

●今日は、同じ学部の大学院で博士課程におられる日本人学生の方々とお茶をして、色々とお話をさせてもらいました。とても楽しかったです。

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2007年1月20日 (土)

2007年1月18日木曜日

今日は、Health Centerから問診をするので来て下さいという手紙をもらっていたので、問診を受けてきました。こっちの問診は必ずといっていいほど心臓発作のことを聞かれるので、日本で僕が受けたことのある問診と少し違っています。また、今日はとても強風の一日で、イギリスはおろかヨーロッパ各地に甚大な被害をもたらした模様です。

今日の授業:

Corpus Linguistics (Seminar): Introduction to Wordsmith

The History of English: Introduction and traditional historical overview

今日の読み物:

安西祐一郎(2001).「認知科学としての認知言語学への期待」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 497-505).大修館書店.

感想:ことばの研究の中で、理論的枠組みを考慮する際には、その枠組みを設定することによってもたらされる限界というものを研究者は常に念頭においておく必要があります。この論文では、ことばの研究において、長年つきまとってきたいくつかの対立事項や問題点について、読者の注意を喚起させることを意図して書かれているようです。扱われている問題は、枠組みの設定とその設定によって生じる研究の限界、構造vs機能、合理論vs経験論、ことばの研究を様々な説明レベルで行うことができること、表現と処理、プロセスとプログラム、アブダクション、といったものです。しかし、特に従来対立的に扱われてきたものには、その対立を超えた研究もなされ始めているということが書かれていました。最後に、日本での認知言語学の今後の発展を願うという言葉によって論文が締めくくられていました。やはり、認知言語学への期待というのはとても大きいものがありますね。

守一雄(2001).「言語と認知のコネクショニズム:モデルの概観と今後」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 473-482).大修館書店.

感想:僕はコネクショニズムの論文については、第二言語習得論の範囲での論文しか読んだことがなかったので、結構新しい情報がありました。特に、仮想神経ユニットの詳しい構造と機能、多層パーセプトロン、誤差逆伝播、Elmanネットなどは新出事項であったと思います。勉強が足りません。。。

Fauconnier, G., & Turner, M. (2002). The way we think: Conceptual blending and the mind's hidden complexities. New York: Basic Book. Chapter 1 (The age of form and the age of imagination)

感想:本書で扱う主なテーマは、3つのI(ChomskyのI言語の話みたいですね。意識しているのでしょうか。。。)です。それらは、Identity、Integration、Imaginationだそうです。この3つの中で中心的な位置を占めるのがIntegrationになるそうです。人間の様々な認知活動の根幹には、その活動がいかに単純なものに見えようとも、意識化では複雑なプロセスが機能しており、本書はそういった複雑なプロセスに焦点を絞るようです。また、言語形式と意味は相変わらずその存在を認めていますが、これらは人間の進化において同時に発達してきており、切り離すことができないと述べられています(p. 11)。また、形式はあくまでも意味構築を相関的に促すもの、という立場も1997年の著書から変わっていないようです。

今日のエンターテイメント

●今日はコースメイトの誕生会で、皆でタウンへ飲みに行きました。今日言ったのは、Crow'sというお店で、静かなところでした。のんびりと話をすることができてよかったです。お誕生日、おめでとう!

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2007年1月18日 (木)

2007年1月17日水曜日

今日は連続で授業があったので、少しくたびれました。

今日の授業:

Critical Discourse Analysis: What is critical discourse analysis?

RIAL Workshop (Researching learner language): Introduction, Collecting learner language

今日の研究会:

Pragmatics and Stylistics Research Group: What should the "object of criticism" be for (a) poems, (b) prose fiction, (c) plays and (d) films? (Mick Short)

今日の読み物:

小池生夫(2001).「第2言語習得と認知プロセス」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 234-240).大修館書店.

感想:第二言語習得研究の様々な理論が列挙され、それぞれに簡単な説明が施されていました。1970年代の研究としては、行動主義心理学、誤り分析&中間言語、形態素の習得順序、モニター・モデル、文化変容モデルが挙げられていました。1980年代の研究としては、作業原理、教授可能性、コネクショニズム、情報処理過程モデルが挙げられていました。僕にとって特に目新しいものはありませんでしたが、ある程度第二言語習得論を勉強した後で、理論を整理するのに役に立つ論文だと思います。

小池生夫(2001).「バイリンガリズムと認知プロセス」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 241-247).大修館書店.

感想:まずバイリンガリズムという語の意味の整理と様々なバイリンガルの種類を整理したあと、バイリンガルの言語活動を支えるものとして提案されてきたいくつかの認知モデルが列挙され、それぞれに簡単な説明が与えられていました。取り上げられたモデルは、総合的言語能力、学力言語能力&会話伝達言語能力、分割基底言語能力、共通基底言語能力、敷居理論、認知とコンテクストのコミュニケーション理論、でした。主にCumminsの理論に基づいています。また、バイリンガルの脳機能や思考についても簡単に触れられていました。僕はあまりCumminsは勉強していなかったので、その理論の展開を追うことができ、とても勉強になりました。

ライアン,M.(2006).『可能世界・人工知能・物語理論』(岩松正洋(訳)).水声社.(原著は1991年出版)第1章(虚構の中心移動)

感想:虚構を話者の意図などを介入させることなく議論できるようにすることを目指します。この章では、フレーゲなどの指示説から入り、その理論的枠組みでは虚構をうまく扱えないことをしめし、可能世界という考え方を導入します。虚構世界の理論としてレッシャーとルイスの理論が提示されます。本章の結論としては、非虚構は現実世界を、虚構は(テクスト現実世界と区別することができない)テクスト指示世界を指示するものとして語られます。ひとたび、虚構であるということが導入されれば、聞き手は自らの中心を現実世界からテクスト現実世界に中心移動し、そこで新たに様々な問題の真偽が思考されることとなるということになるようです。とても面白い考え方です。あくまでも指示説の範囲で虚構が語られ、かつその結論が合理的なものであったので、驚きました。続きが楽しみです。

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2007年1月16日火曜日

今日の研究会:

●Research Group in Theoretical Linguistics: Sign language typology - The cross-linguistic study of sign language (Ulrike Zeshan)

今日の読み物:

Semino, E. (2006). Blending and characters' mental functioning in Virginia Woolf's Lappin and Lapinova. Language and Literature, 15 (1), 55-72.

感想:融合理論(multiple-blend)を用いて、登場人物の精神世界の共有とその乖離、そして崩壊を記述した論文です。Palmerのintermental functioningとintramental functioningも用いられていました。融合理論を用いることで、登場人物の精神世界の変容がものすごくうまく捉えられていました。また、論文の最後には、今後の課題として、本論文が扱った以上の入力スペースを組み込んだモデルを作る必要があること、generic spaceにどの程度の情報を所有させるのかを明確にすること、が挙げられていました。僕がランカスターで書きたいと考えている修士論文のモデルになる論文だと思いました。

佐々木正人(2001).「アフォーダンスと言語獲得-Reedの生態心理学的観点」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 483-494).大修館書店.

感想:言語は生態心理学的に現れるものであり、アフォーダンスという観点から考えることも可能であるということが述べられていました。人間の成長を生態心理学的に整理し、その中に言語の現れを組み込んでいました。全く新しい観点で、とても面白かったです。

今日のエンターテイメント:

●The Graduate Barでのクイズ大会:僕のチームは最後の一般問題で満点を取ったものの、及ばず4位という結果でした。また、僕の専攻から出場したもう1つのチームは2位を獲得。このチームはいつもいい順位を取ります。楽しかったです。

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2007年1月16日 (火)

2007年1月15日月曜日

今日から、いよいよ2学期が始まりました。ランカスターではLent Termと呼ばれています。久々に友達ともあい、お互いどのような休暇を過ごしたのか、話しました。

今日の授業:

●Corpus Linguistics (Lecture): Introduction to corpus linguistics

今日の読み物:

Larsen-Freeman, D. (1997). Chaos/complexity science and second language acquisition. Applied Linguistics, 18 (2), 141-165.

感想:SLAという現象を複雑系という観点から考えてみようという試みです。具体的に実験等をした論文ではなく、複雑系とはどのような考え方であり、その考え方がSLAのどのような問題を解決できそうなのか、ということがまとめられていました。ということで、どちらかというとprospectiveな論文だと思います。著者によるとSLAとは動的な現象であり、この複雑系という考え方がうまくフィットするのではないかということが主張されていました。生成文法などでは言語は静的なものと考えられがちですが、フンボルトやシュライヒャーのように、19世紀ごろには既に言語を動的なものとして考える立場が存在していたことなども論文中で確認されていました。また、Dillerによる、「言語は使用されるごとに変化している」という考えも紹介されていました。言語も動的であり、また言語習得という問題も動的というわけです。こういった複雑系的観点から言語習得を考える際、その習得プロセスを支えるのはコネクショニスト・モデルになります。そして、そのコネクション(文法体系)を作るのは、個人の創造性と話者と取りまく社会的相互作用であると述べています(morphogenesis-with-adaptationと呼ばれています)。もちろんこの立場は検証されたわけではありませんから、仮説形成や外的インプットに単純に頼る初歩的コネクショニスト・モデルの有意義性を捨てる必要はないとします。最後に、著者が述べてきた考えは複雑系の考えを導入する以前にもSLAには既にありましたが、この概念の導入によっていくつかの観点が強調されることができるとしています。それらは、1. encourages a blurring of boundaries、warns agains settling for wimple solutions prematurely、3. provides some fresh images for SLA phenomena、4. foregrounds certain problems, obviates others、5. discourages theory construction through the aggregation of simple univariate cause-effect links、6. underscores the importance of details、7. reminds us to hold the whole and to find a unit of analysis that allows thisです。著者が述べているように、複雑系とみなされた第二言語習得プロセスにおいては、体系性と不規則性は共存することができることになります(p. 156)。この論文は面白かったです。ただし、第二言語習得プロセスをこのように複雑系の観点から捉えることによって、実際にどのようなことを明らかにすることができるのか、この論文の有用性はその後の関連文献を読んでみないと分かりませんね。

ライアン,M.(2006).『可能世界・人工知能・物語理論』(岩松正洋(訳)).水声社.(原著は1991年出版)序章(序)

感想:可能世界理論を物語論に応用した画期的な本です。今日は序章を読みました。ここでは、可能世界理論が少し理論的に行き詰った感のある物語論を発展させることができるということが主張されていました。また、この論文では、従来物語論でなかなか区別することが困難であった物語性と虚構性を別々に研究することを試みるそうです(文学理論ではこれら2つを区別するのはあまり好きではないようですが、社会言語学、談話分析、テクスト言語学、民族学、認知心理学ではこれら2つの区別に対しては肯定的で、会話を支配する言語使用論上の原則を素描して、それらが虚構文学の形式とよく似ていることを強調してきているそうです(p. 18))。また、「文学的」、「物語的」、「虚構的」という3つのパラメーターを設定し、それぞれのパラメーターの設定を変化させながら、その関数の値としてどのようなテクストが該当するのか、といったことも簡単にまとめてありました。可能世界論がテクスト記号論に対して最も貢献する概念は、「テクストが投影する意味領域を記述する「世界」という隠喩と、意味領域を作り上げる《もの》・状態・事象のさまざまなありようを記述・分類する《様相》という概念」(p. 19)となるそうです。また、可能世界論がテクスト記号論に与える最大の寄与とは、「虚構世界における真理の問題や意味領域と現実との関係」(p. 19)へ研究者の関心を向けさせたことにあるということです。以降では、各章でどのようなことを論じるのか、ということなどが書かれていました。以降の展開が楽しみな本です。

今日のエンターテイメント

●台湾の友達の誕生日会:ご飯を食べて、飲み物を飲んで、ケーキを食べて、お話をして、楽しい誕生日会でした。

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2007年1月14日日曜日

今日はクリスマス休暇最後の一日なので、勉強はいっさいせずにただのんびりと過ごしました。You Tubeを見たり、テレビを見たりと、リラックスしました。さあ、明日からいよいよTerm 2が始まります。どのような学期になるのでしょうか。実り多き学期になるといいなあと思います。

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2007年1月13日土曜日

今日の読み物:

Cooper, R. L. (1989). Language planning and social change. Cambridge: Cambridge University Press. Chapter 4 (Some descriptive framework)

感想:言語政策を研究するためにどのような枠組みがあるのかを概観した章でした。著者は、これらの章を概観することで、著者自信が前までの章で作り上げた枠組みに加える必要がある側面があるかどうかを探ろうとしているようです。この章では、主に社会学、経済学的な観点からの枠組みが概観されていて、私としてはとても斬新な観点でした。ここで概観されていた枠組みは、language planning as the management of innovation、language planning as marketing、language planning as the pursuit and maintenance of power、language planning as decision makingでした。2番目のマーケティングという観点は僕にとっては全く新しいものであり、とても面白かったです。やはり、言語政策は、言語学だけの観点では不十分で、その政治的、経済的側面の考察が相当に必要なのだなあと確認しました。

森芳樹・吉本啓(2001).「人工知能から見た言語と認知」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 461-472).大修館書店.

感想:この章では、ユニフィケーション文法の中のHPSGと形式意味論の中の談話表示理論が扱われていました。ただ、これらの理論と関係が深い生成文法、GPSG、モンタギュー文法、真理条件意味論なども折にふれて簡単な説明がなされていました。これらの理論はあまり本格的に勉強したことがなく、基礎の基礎しかしりませんが、それでもまとめ方が分かりやすく、素人には非常に優しい論文でした。ちゃんと理解するには、もう一度ぐらい読まないといけないかと思います。でも、これらの理論にもしっかりと目を配っておきたいというのが僕の言語学への姿勢ですので、折をみて復習ないし、もう少し深く勉強してみたいと思います。

今日のエンターテイメント

●International Student Cafe:今日、フラットメイトがよく行っているというこの催し物へ初めて参加させてもらいました。まず、最初にフラットメイトと卓球を楽しみ、その後サッカーゲームをし、それからことわざクイズに挑戦しました。クイズの方は、僕はさっぱりでした。また、コックニークイズがあったのですけど、とてもいい資料をもらったと思います。子供が次々と簡単にコックニークイズに答えていたのは圧巻でした。

●あずきスープ:台湾の友達にアサインメントに関してヘルプを頼まれ、そのヘルプをしているときにご馳走になりました。ちょうど、International Student Cafeから帰ってきたところだったので、ナイスタイミングでした。とても美味しかったです。

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2007年1月13日 (土)

2007年1月12日金曜日

今日は、友達に頼まれてビートルズの記念切手を買いに郵便局へ行き、その後図書館と文房具屋に立ち寄り、Sparでアイスクリームを買いました。

今日の読み物:

Romaine, S. (1982). What is a speech community? In S. Romaine (Ed.), Sociolinguistic variation in speech communities (pp. 13-24). London: Arnold.

感想:この論文ではGumperzにより提案され、Labovによって発展させられてきたspeech communityという概念の妥当性が問われていました。speech communityでは、話者が同じ規範と規則を共有しているという前提が課されます。この概念は、新文法学はなどにも大きく影響を与えていたのですが、実際には話者は異なった様式で規則を使ったりする事例が多く確認されており(GauchatとHermannの超古典的研究が言及されていました)、観察事象と適合しないという問題があります。また言語変化もうまく扱うことができません。Labovのspeech communityの理論(著者はprptotype variable rule communitiesとLabovのspeech community観を呼びかえています(p. 19))は、Baileyのsynamic paradigmと比較され、前者は集団からスタートするが後者は個人からスタートするなど、違いが指摘された後、前者の考えが要約されています。また、speech communityは決して均一的なものではなく、その内部には異なる言語使用を行う集団存在し、彼らが言語使用を競合させているということも主張されていました(p. 22)。この考えは、今現在は当たり前になっているのかもしれませんが、それでもこの論文は簡潔なまとめがしてあり、勉強になりました。

Zholkovsky, A. (1985). Poems. In T. A. van Dijk (Ed.), Discourse and literature: New approaches to the analysis of literary genres (pp. 105-119). Amsterdam: John Benjamins.

感想:生成詩学の論文です。非常に短く、理論の理解が前提とされており、また凝縮して書かれてあるので、著者の考えをあまり理解することができませんでした。ただ、生成詩学の図式だけでも知ることができてよかったです。生成詩学は、「Theme→Deep Design→Deep Structure→Surface Structure」という4層のレベルを設け、Themeが最も抽象度の高いものとされます。この4層構造は、「ideas→abstract non-linear patterns→linear composition→the sets of syntactic texts」とも言い換えられていました(p. 112)。つまり、詩の分析とは、この4層のレベルに基づきながら分析したほうがよい、という考えなのでしょうか。この辺りはもっと勉強しないと分かりませんね。でも、知的に刺激を受けたのでよかったです。

茂呂雄二(2001).「対話の認知プロセス」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 304-315).大修館書店.

感想:サックスらの会話分析やバフチンの対話理論が取り扱われていました。かなり事例を引っ張りながら説明がされていたので、読みやすかったです。やはり、発話を単位として扱う研究は、文を単位として扱う研究とは違った言語の側面が見えてくるのだなということを再確認しました。

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2007年1月11日木曜日

今日は、朝からStylisticsとLanguage Test Construction and Evaluationの授業のアサインメントの最終修正を行いまいた。正午ごろに完成し、プリントアウトして、午後から事務に提出しに行きました。無事に受けとってもらい、これで一安心です。その後、Student Support係へ行き、12月の始めに提出したビザの延長手続きが完了したかどうかを確かめにいきました。無事に手続きも終了し、ビザも僕の手元へ帰ってきました。次に、ランカスタータウンへ行き、買い物をしました。食べ物がなくなっていたので、買ってきました。CD屋にも寄ったり、前々から買わねばと思っていたマグカップを買ったりしました。そして、帰宅し、管理人さんの部屋へ行って、荷物や手紙を受け取り、その足で今度は図書館へ行きました。そこで、ちょっと文献探しなどをして、再び帰宅しました。勉強をしようかと思っていたのですが、朝から行ったアサインメントの修正が思った以上にこたえていたみたいで、どっしり疲れがのしかかってきました。ということで、勉強はお休みにして早々と休むことにしました。

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2007年1月12日 (金)

2007年1月10日水曜日

今日は、Language Testingのアサインメントを修正しました。

今日の読み物:

Pavel, T. G. (1985). Liteary narratives. In T. A. van Dijk (Ed.), Discourse and literature: New approaches to the analysis of literary genres (pp. 85-103). Amsterdam: John Benjamins.

感想:この論文では、文学的語りを扱った研究を歴史的にその発展と変遷を負っていくという趣旨で書かれたものです。まず、物語論を抽象的物語論(テクストの背後の構造を扱う物語論)とテクスト的物語論(テクストの表層情報を重視する物語論)に分類します。前者に関しては、Proppの民話の機能的物語論、Levi-Straussの神話の構造分析、Kongas-MarandaとMarandaによるLevi-Strauss的分析の発展(mediationの提案)、Greimasによる記号論的分析(semiotic square)、Courtesによる記号論的分析の発展、Barthesによる機能的分析の発展(the texnomy of function and the taxnomy of indices)、Todorovによる言語学的分析(品詞をテクストレベルに応用)、Bremondによる語りの論理の分析(logique de recit)、PrinceやPavel、van Dijkによる形式文法的アプローチ(生成文法の考えを応用したもの。Princeはminimal storiesを想定し、その理論的制限の中での物語論を展開)、Dolezelによる物語論的意味論(the theory of narrative motifとthe global constraints on narrativeから構成されるもので、logico-philosophical ideaを基盤に持つ物語論の中では最高のものであろうと著者は評しています)、Ryanによる虚構世界的物語論、が順番に紹介されていました。また、後者のタイプの物語論としては、Genetteによる研究、Balによる4層構成のnarrative communicationのモデルの提案、Stanzelによる研究、Cohnによる文学技法の歴史的発展に関する研究、が紹介されていました。この論文は、個々の理論の説明は上をなぞったような程度にしか書いてありません。ですので、個々の理論を理解するのは参考文献表に挙げられている理論を直接読まなければなりません。しかし、物語論の見取り図としてはとても有益で、僕自身ばらばらに理解してきた理論を整理することができたので、とてもよかったです。特に前者のタイプの物語論のレビューは有益で、ProppからRyanまでの発展をつなげることができたのでとてもよかったです。

西山佑司(2001).「関連性理論」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 294-303).大修館書店.

感想:関連性理論は勉強したことがあるので、特に新しい情報はありませんでした。しかし、ついつい僕は忘れがちになるのですが、関連性理論はモジュール性を想定していることを思い出すことができ、よかったです。関連性理論を勉強したことがない人にとっても、この論文はその理論の大体の考えをつかむことができるので、有益な論文だと思います。

Dancygier, B. (2006). What can blending do for you? Language and Literature, 15 (1), 5-15.

感想:基本的には融合理論の概略的な説明でした。著者が強調していたのは、入力スペースから融合スペースへのselective projection、融合スペースにおける要素のcompressionによる独自の要素の形成、でした。ただし、後者に関しては、融合スペースでは時として統一的な要素の分解によって分解された要素を新たに配列しなおすという操作も生じるということが述べられていました。また、融合に使われる情報は言語的なものに限られず、その他視覚など他の言語外的情報も使われるそうです。融合スペースは、創造の根源であるということは、既に読んだフォコニエの著書でも再三強調されていたことですが、この論文内でも強く主張されています。また、融合理論では、形式ー意味のマッピングを前提としますが、だからといって所定の言語表現の多用な解釈を許さないということはありません。むしろ、融合理論だからこそ、こういった多用な解釈といった問題もスマートに扱うことができるということも述べられていました。論文の最後には、融合理論についての文献リストなどがまとめてあり、情報源としてとても価値のある論文でした。ただし、論文の内容自体については、フォコニエを読んだ後では、少し物足りないものではありました。

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2007年1月10日 (水)

2007年1月9日火曜日

今日は、Stylisticsのアサインメントの読み直しと修正を行いました。また、連日の勉強で少し疲れがたまってきているようです。

今日の読み物:

Milroy, L., & Milroy, J. (1992). Social network and social class: Toward an integrated sociolinguistic model. Language in Society, 21, 1-26.

感想:この論文では、元来ミクロな現象を扱ってきたsocial network theoryと、元来マクロな観点から研究をしてきたclass-based approachを統合しようという試みがなされています。著者によると、これらは従来対立する理論のように考えられてきたが、実際人々の社会言語学的現象には両者がかかわっており、統合的な理論が求められているとのことです。論文では、まずGranovetterなどに言及しながらsocial network theoryの要点(strong tiesとweak tiesの機能)をまとめ、その後でHojrupのlife-modeの議論を用いながらclass-based approachとの統合を試みています。2つのアプローチの統合は、各階級が実は内的な個人間コネクションによって特徴づけることが可能である、ということを示すことで示されていました。とても野心的な試みであり、面白く読みました。また、この論文はMilroyらのsocial networkの考えを復習するのにも便利であると思います。

池上高志(2001).「言語と認知の相互作用様式-複雑系的視点から」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 158-175).大修館書店.

感想:僕にとっては全くもって新しい考え方でした。言語活動を一種の複雑系とみなし、その観点から言語研究を行うというものです。論文の書き方からして、まだかなり新しい研究の視点のようで、今後の展開が期待されます。僕はこの考え方に関してはあまり背景知識を持っていませんので、果たして理解することができたのか、疑問が残ります。ただ、知的好奇心はかなり刺激されましたし、新しい視点を知ることができてとてもよかってです。

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2007年1月 9日 (火)

2007年1月8日月曜日

今日は、Language Testingのアサインメントの読み直しをしました。結構時間がかかりました。

今日の読み物:

Schilling-Estes, N. (2003). Investigating stylistic variation. In J. K. Chamber, P. Trudgill & N. Schilling-Estes (Eds.), The handbook of language variation and change (pp. 375-401). Oxford: Blackwell.

感想:この論文では、スタイル研究におけるモデルを概観し、それぞれの特徴づけと問題点などを指摘していました。この論文内で扱われたのは、LabovのAttention to speechモデル、BellのAudience Designモデル(下地にはGilesのSpeech Accomocation Theory)、CouplandらのSpeaker Design Approaches(下地には構成主義的考え)です。Audience Designは必ずしもresponsiveな理論ではないものの、全体としてはそういった特徴が見られ、その点Speaker Design Approachesは話者が積極的に世界に働きかけ、言語により世界認識を構築していく、といった立場がとられます。また、最初の2つのモデルはunidirectionalityが問題点として指摘されることがありますが、3つ目のモデルはmultidimensional modelとも呼ばれています。しかし、理論的にはunidirectionalityといった考えは説明力を発揮する場面もあり、研究上まだ捨てきれないところがあるようです。社会言語学のスタイル研究における理論モデルを手っ取り早く学ぶことができる、とても便利な論文でした。

山中桂一(2006).「テクストの研究における問題圏と方法」.『文体論研究』,52,99-117.

感想:この論文で強く主張されていたのは、テクストを受け手の側から分析的に研究し、テクスト内に見られる加工の痕跡を文体指標として列挙することからスタートすることは実にもっともな研究方法であるが、この段階で研究を終えてしまえば、それは文体論とは呼べないということでした。この論文では、Zholkovskyの生成詩学(表出性詩学:Poetics of Expressiveness)を元にPoeの『黒猫』と紀友則の和歌が分析されていました。しかし、僕自身生成詩学を勉強したことがありませんので、実際の作品分析を通して著者が主張しようとしていることが何なのか、いまいちつかむことができませんでした。生成詩学も勉強しないといけませんね。。。

米山三明(2001).「語彙・概念的な意味論の成立と展開」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 147-157).大修館書店.

感想:基本的にはJackendoffの概念意味論の説明になっていました。僕自身、Jackendoffの概念意味論自体を本格的に勉強したことがないので、書いてある情報は結構新鮮でした(不勉強をさらすようで恥ずかしいですが。。。)。ただ、この論文では認知意味論と概念意味論の違いを明確に読み取ることもできましたし(モジュール性など)、日本にもこの理論的枠組みに基づいて多くの意味論の著作があることも知りましたし、有益でした。この理論も勉強しないといけませんね。。。

Plett, H. F. (1985). Rhetoric. In T. A. van Dijk (Ed.), Discourse and literature: New approaches to the analysis of literary genres (pp. 59-84). Amsterdam: John Benjamins.

感想:論文のはじめで古典修辞学と近代修辞学の特徴の比較がなされていました。主に4点の特徴(analytical perspectives、generative principle、logical coherence、practical usefulness)が挙げられていました。古典修辞学はinventio、dispositio、memoria、actio、pronuntiatioから構成されていますが、これらはいずれも形を少し変えながらも、大きく言語研究に影響を与えているということです。修辞学は長年忘れられていたのですが、構造主義者と生成文法的文体論者によって、修辞学が扱っていた問題(構造やコードの問題など)に焦点が当てられ、リーチ、トドロフ、グループμなどによって発展がなされました。第2期の研究者たちは、elocutioなどにも積極的に言及をしたりしたそうです。第三の貢献者たちは解釈学(Morrisなどを指してこう呼んでいますが、僕はあまりこの呼称にはあまり賛成できません)、コミュニケーション論、記号学者で、修辞学には形式的な面だけでなく、機能的(persuasive)な側面があることも酌量されるようになりました。この論文では、言語学的なモデルに基づき、修辞技法を考えていくと、今までばらばらに議論されていたものがしっくりと収まるだけではなく、新たな修辞技法を発見することもできるとしています。この論文では、モリスに従い、言語の統語、意味、語用のレベルを設定し、それぞれに規則違反と規則強化という技法があり、それらは言語のレベルによって異なる名称が与えられています(音韻、形態、統語、テクスト、意味、書記素)。規則違反の側には、更に規則に違反する方法として、addition、subtraction、substitution、permutationが設けられています。修辞技法の名称に関しては、統一的なものが提案されており、従来の修辞学よりも体系的であると主張されていました。論文の後半では、e. e. cummingの作品の修辞分析がなされていました。論文の前半で分類してきた修辞的技法を使って説明がなされていました。書記素の観点からの分析で、とてお面白かったのですが、やはりもはや文体論とほとんど区別がつかない感じがしました。用語自体は修辞学的なのですが、分析を全体的にみると文体論そのもので、やはり両分野の密接な関係を感じ取りました。やはり修辞学というのは技法を細かく分類していくことが大事なのだとしたら、この点が文体論との違いかもしれません。文体論では逸脱と一言で済ますことができることを、その逸脱の仕方や逸脱が生じている言語レベルなどによって違う名前を与えるわけですから。とても面白い論文でした。

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2007年1月 8日 (月)

2007年1月7日日曜日

今日の読み物:

Kerswill, P. (2004). Social dialectology. In H. von Ulrich Ammon, N. D. K. J. Mattheier & P. Trudgill. (Eds.), Sociolinguistics: An international handbool of the science of language and society, Vol. 1 (2nd ed., pp. 22-33). Berlin: Mouton de Gruyter.

感想:social dialectologyとは、かなり構造主義的なアプローチのことであり、その研究の起源としてWeinreich, Labov and Harzog (1968)(WLH)を置いているとのことでした。そして、その中心的課題は言語変異と社会的要因の関係付けに依然としてあるということです。WLHは生成文法の影響もかなり受けているうようで、"WLH provide early examples of variable rules, formulated as optional generative rules in the then prevailing models\, but with probabilistic linguistic and extra-linguistic weightings, such as those related to phonological context, grammatical category, class, style and age, built in - though the extra-linguistic factors were later excluded from the rule formulation itself." (p. 24)しかしながら、こういった概念化には問題があり、様々な問題点が指摘されることになりました(p. 25)。また、social dialectologyはHymesらエスノグラフィック・アプローチと違って、なぜ所定の集団が任意の変異を使い、また別の集団が他の変異を用い、その逆は起こらなかったのか、といったことには一般にあまり関心がないということです。しかし、研究の意義は大いに認められるとのことでした。また、social dialectologyの今後の課題として、vernacular、style、the speech communityに関して、これまでの研究よりも柔軟な態度を取っていくことが必要であることが述べてありました。Social dialectologyって、言い換えるとLabovian sociolinguisticsとでもいうことができるような学問だったのですね。勉強になりました。

Bell, A. (1997). Language style as audience design. In N. Coupland & A. Jaworski (Eds.), Sociolinguistics: A reader and coursebook (pp. 240-250). Basingstoke: Macmillan.

感想:この論文は、同著者の1984年の論文の短縮版です。Labovがstyleを注意の払う量の問題としたのに対し、著者はstyleとは話し相手や状況への反応の問題であると考えます。また、"style involves the ways in which the same speakers talk differently on different occasions rather than the ways in which different speakers talk differently from each other" (p. 240)とスタイルの特徴づけがなされていました。まず、著者はこれまでのスタイル研究をハイムズ的なmaximalist approachとラボフ的なminimalist approachに分けて考えます。しかし、著者はこれらの研究とは一線を画す理論を提示するわけです。この理論は、the Audience Design framework (p. 242)と著者により呼ばれています。この枠組みは合計で9つのstyle maximから構成されます。近年のスタイル研究は2つの方向で進められているそうです。1つは、the Audience Design frameworkの対抗馬としての、multidimensional approach (Finegan and Biber (1994)による)です。もう一つは、minimalist approachのBellのアプローチも不十分であり、言語事態が社会的現実を構築するという始点が欠けている、という点を指摘し、この方向で研究を進めるものです。Bellの考え自体はとても納得しやすいものでした。僕も以前から、ラボフのattentionという考え方には少し疑問を持っており、ベルの考え方の方がしっくりときました。

野村益寛(2001).「認知言語学」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 132-146).大修館書店.

感想:認知言語学の基本的なスタンスに関して簡単にまとめたあと、認知文法論についてかなり重点的に説明がされていました。認知文法論自体、あまり本格的に勉強したことがなかったので、その説明は有益でした。

Sharwood Smith, M., & Truscott, J. (2005). Stages or continua in second language acquisition: A MOGUL solution. Applied Linguistics, 26 (2), 219-240.

感想:これまでの第二言語習得研究では、学習者の第二言語習得プロセスは段階的なのか連続的なのか、というジレンマがありました。ステージに分けるとデータがうまく適合しなかったり、かといって段階的だということ理論との適合がうまくいかなかったりします。こういった問題を解決できるものとして、MOGUL (Modular On-line Growth and Use of Language)が提案されています。この理論は、基本的にはジェッケンドフの理論に負っています。僕はこの論文の著者の別の論文を読んだことがあるので、内容自体はとても簡単で、それほど新しいことは見つけることができませんでした。この理論の重要な点は、言語習得のための特別な言語装置なるものは存在せず、ただ、言語処理を通して徐々に所定の言語要素の活性が高まっていき、言語習得はその副産物に過ぎないというものです。確かに、この考えを用いるとこれまでの第二言語習得研究のデータに対してより柔軟に対応できるようで、いくつかの実例を用いてそのことが示されていました。この理論を勉強したい人は、この論文から読みすすめるのはおすすめしません。この論文の参考文献表に挙げられている、Sharwood Smith (2004) か、Truscott and Sharwood Smith (2004) から読みすすめるのをオススメします。

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2007年1月 7日 (日)

2007年1月6日土曜日

今日は、Stylisticsのアサインメントの修正を行いました。結構時間がかかりました。。。

今日の読み物:

G.フォコニエ(2000).『思考と言語におけるマッピング メンタル・スペース理論の意味構築モデル』(坂原茂・田窪行則・三藤博(訳)).岩波書店.(原著は1997年出版).第6章(融合)

感想:この本の中で一番読みたかった章です。この融合スペースは人間の創発に大きく関与しており、入力スペースからの入力を融合して、もとの入力スペースにはない情報を作り出し、更に、入力スペースに逆転送することで、新たな意味や解釈を可能にするというものです。これはメタファーや文学など創造的なもののみに限られるものではなく、科学の発明などの下地にもなっているものだそうです。また、意味だけの問題に限らず、様々な言語外的事象でも機能しているということです。この概念の未知なる可能性を垣間見た気がしました。とても面白かったです。

G.フォコニエ(2000).『思考と言語におけるマッピング メンタル・スペース理論の意味構築モデル』(坂原茂・田窪行則・三藤博(訳)).岩波書店.(原著は1997年出版).第7章(結論)

感想:この章では、本書がこれまで行ってきたことの簡単なまとめと、今後の展望がなされていました。特に後者に強調が置かれていたと思います。このメンタル・スペースという理論は、単に言語の意味構築の問題だけでなく、生物の進化の問題(特に言語の誕生の問題)にも大きな示唆を与えることが期待されているとのことです。また、あるメンタル・スペースからマップされる情報はどのように選択されるのかといった問題は、本書が書かれた時点ではまだ明らかになっておらず、今後の課題とのことです。この本では、こういった選択メカニズムが機能した後のことについて研究をしているのだ、と主張してありました(p. 238)。

中島平三(2001).「生成文法」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 98-131).大修館書店.

感想:特に新しい論点は見られませんでしたが、その情報のまとめ方には驚かされました。たった30ページほどしかない論文であるにもかかわらず、生成文法の見取り図を丁寧かつ分かりやすくまとめてありました。この論文を読むことで、生成文法の全体像やその発展などを整理することができます。復習のための論文としてはとてもいいものであると思いました。

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2007年1月 6日 (土)

2007年1月5日金曜日

休脳日も終わりにして、今日から再始動です。

今日の読み物:

G.フォコニエ(2000).『思考と言語におけるマッピング メンタル・スペース理論の意味構築モデル』(坂原茂・田窪行則・三藤博(訳)).岩波書店.(原著は1997年出版).第5章(マッチング)

感想:「基礎FはターゲットMと、もしFの役割が満たすすべての条件を、Mでのその役割の値が満たすなら、マッチする」(p. 167)ということの説明がなされていました。章を読みすすめるごとに、メンタル・スペース理論がいかに強力な理論であり、かつ柔軟な理論であるかを、まざまざと感じ入ります。ただ、僕がこの章で一番面白く読んだのは、メタ・メタファ条件文についての部分です。If Scarlet O'Hara is a red rose, then Melanie Wilkes is a violet. というような文のことを指しています。この本では簡単に触れてあっただけですが、知的好奇心が刺激されました。この文例では、複数のマッピング間の整合性が問題になっている(p. 184)のだそうですが、これを更にすすめるなら、受験英語のA is to B what C is to D.の構文もマッチングの問題として扱うことができそうですね。

Gumperz, J. J. (1982). Discourse strategies. Cambridge: Cambridge University Press. Chapter 4 (Conversational code switching)

感想:この章で主張されるcode switchingとは次のようなものです。"The view that code switching is a discourse phenomenon in which speakers rely on juxtaposition of grammatically distnct subsystems to generate conversational inferences" (p. 97)。code switchingは、自分の言葉が相手にどのように解釈されたいか、という問題と大きく関係しているそうです。確かに、自分の言語使用を鑑みれば、納得できました。そのほか、borrowingとcode switchingとの違い、code switchingの機能の分類、この代替的アプローチとしての意味論的アプローチ(code switchingが相手の意図を推論するプロセスをどのように制限しているのかを調べること)、code switchingは統語論的制限と語用論的制限を受けていること、code switchingは意味論的な意図を伴うことの確認、会話の公理との関係での考察、などがなされていました。また、コミュニケーションの意図を追及する解釈過程は、次のように進むそうです。"We assume that participants (a) recognize the shift as potentially meaningful, (b) identify its syntactic function in relation to other discourse signals and (c) search their memory for an explanation which accords with what the contrast signifies in each circumstance." (p. 96)。ロシア・フォルマリストの前景化の理論とよく似ています。code switchingに関しては、ほとんど論文を読んだことがなかったので、いい勉強になりました。

Hassan, R. (1985). Meaning, context and text - Fifty years after Malinowski. In J. D. Benson & S. S. Greaves (Eds.), Systemic perspectives on discourse, volume 1 (pp. 16-49). Norwood, NJ: Ablex.

感想:不当な批判が多くなされたり、その意義のわりにはあまり注目がなされなかったりする、Malinowskiの言語論をしっかりと理解しようとする目的のもと書かれた論文です。この論文では、Malinowskiの言語論の特徴が列挙されていきます。まず、面白かったのは、Saussureの言語理論で少しだけ触れられている、valueとsignificationのことを元にMalinowskiを考察していた点でした(p. 23)。valueとは能記と所記の関係、significationとは、ここでは所記と非言語的現実世界の場面の関係を指します。"Signification, on the other hand, is not a system-internal relation; it is concerned with the relation between the sign and what the sign is a sign for. This brings the term 'signification' quite close to at least one interpretation of the term 'reference'. (p. 23)。Malinowskiの言語論の特徴として、どのように意味能力が構築されていくのかをテーマとしたこと、子供が言語習得過程に見せるpragmatic function of language(現実世界への言語的働きかけとでも言いましょうか)を議論の中心に据えたこと、このsignification(つまりpragmatic function)が、valueないし言語システム構築の上で重要な役割を担っていること、Malinowskiの理論はアンチSaussureではなく、むしろ補足的であること(Malinowskiも言語は体系であると考えています)、テクストを言語研究の出発点(中心)に据えたこと、コンテクストと記号体系の間に架け橋をかけてlangueとparoleの融合をはかったこと、"language as a set of concurrent sytems of options, where the selection of some path(s) is actualized as a particular sentence, this actualization itself being motivated by the context of situation in which the speaker happens to find himself." (p. 35)、現実は言語から構成されているという考え、孤立した文とは虚構に過ぎず、それらはコンテクストなしには解釈不可能であるという考え、コンテクストとは社会的なものであるという考え(コンテクストを物理的なものと考える発語行為論とはこの点で少し異なる)、パースの記号論とも類似していること、Malinowskiの言うコンテクストとは、記号と物理的存在が一対一で対応するような'crude contextualist'のものではなく、'schematic construct'であること、などが挙げられます。また、Malinowskiの言語論について取り上げたいくつかの著作を取り上げ、それらがいかに誤解に満ちたものであるかも解説されています。著者によると、この誤解は上記の特徴に関する理解不足に加えて、理論の体系化がなされなかったこと、特異な専門用語、などが挙げられています。著者は特に理論の抽象化、体系化ないし視覚化がなされなかったことを、'flaws' (p. 41) や'his main fault' (p. 45)という語で表現しています。この論文では、僕はMalinowskiの理論についてかなり多くのことを学ぶことができました。Malinowskiの言語論について必ずしも文献が豊富ではないなかで、非常に有益な論文ではないかと思います。また、同時に僕もMalinowskiについてかなりの誤解を持っていたことを認識させられました。やはり、しっかりと調べて読むということは重要であるということを今更ながら再認識させられました。

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2007年1月 5日 (金)

2007年1月4日木曜日

今日は久しぶりにタウンへ行って、買い物をしてきました。また、散髪もしてもらい、9月から伸び放題になっていた髪の毛もさっぱりしました。今日は、病気も完全に治り、健康体での、休息日にしました。

今日のエンターテイメント

●台湾の友達に夕食に呼んでもらいました。ご馳走様でした。また、中国の梨(Chinese pearというもの)を、人生で初めて食べました。甘さ控え目、歯ごたえは20世紀梨、という感じでした。美味しかったですよ。

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2007年1月3日水曜日

今日は、朝図書館に行って、論文をコピーしたりしました。今日はなんか疲れていたし、まだ年末にこじらせた病気も完治していないので、お勉強はお休みすることとしました。

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2007年1月2日火曜日

今日の読み物

G.フォコニエ(2000).『思考と言語におけるマッピング メンタル・スペース理論の意味構築モデル』(坂原茂・田窪行則・三藤博(訳)).岩波書店.(原著は1997年出版).第4章(アナロジ的反事実表現)

感想:この章で扱われている問題(反事実文)が、これほど今までの言語学の中で問題になっていたとは、はずかしながらあまり知りませんでした。読んでいて、とても面白かったです。メンタルースペースによる分析にも、感覚的にだいぶ慣れてきたみたいです。

今日のエンターテイメント

●台湾の友達たちが帰ってきました。久々に会って、お茶したりしました。お帰りなさい。今年もよろしく。

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2007年1月 2日 (火)

2007年1月1日月曜日

やはり腹痛が治りません。その上、風邪までこじらせてしまいました。冴えない年明けです。

今日の読み物:

Wardhaugh, R. (1998). An introduction to sociolinguistics (3rd ed.). Oxford: Blackwell. Chapter 4 (Choosing a code)

感想:入門書なので、特に「これは」というものはありませんでした。論文内に書いてあったのは、Fergusonのdiglossiaの定義、及びFishmanによるその定義の拡大、バイリンガリズム、code-switching(situational code-switchingとmetaphorical code-switching)についてでした。面白いと思ったのは、西洋では長い間バイリンガリズムはあまりいいものとして考えられてこなかったという指摘でした(p. 98)。また、バイリンガルとバイダイアケクチュアルを区別しようとすると、その区別は大抵失敗に終わるという指摘(p. 95)も面白かったです。さらに、diglossiaとcode-switchingはかなり類似した概念ですが、混同しないように気をつけなければなりませんね。また、なぜ人はcode-switchingを行うのか、その目的はまだよく分かっていないようで(少なくともこの本が書かれた時点では)、色々な可能性が指摘されています。

Enkvist, N. E. (1985). Text and discourse linguistics, rhetoric, and stylistics. In T. A. van Dijk (Ed.), Discourse and literature: New approaches to the analysis of literary genres (pp. 11-38). Amsterdam: John Benjamins.

感想:文単位を最大の言語単位とする言語学と違って、これらテクストを扱う研究は、ruleではなくprincipleを求める学問であるということが指摘されます(p. 13)。その後、修辞学、文体論、テクスト言語学などは、その意味するところがいくつもあることが確認されます。しかし、これらの学問は完全にお互いに独立したものではなく、かなりの部分が共通しているとされます。また、面白いと思ったのは、修辞学と文体論はほぼ同じものを指すにもかかわらず、前者には否定的なコノテーションがあり、後者にはそのようなコノテーションはないとのことでした(p. 19)。これらの学問はすべてコミュニケーションに関心があり、特にそのコミュニケーションプロセスの研究として定義しなおすことができるのではないか、というのが結論でした。この論文の主張は、2007年現在では既に周知の事実となっている感があり、それほど読む必要性もないかもしれません。

辻幸夫・野村益寛(2001).「言語学の基礎」.In辻幸夫(編),『ことばの認知科学事典』(pp. 85-97).大修館書店.

感想:言語学にはどのような分野があるのか、ということが整理されていました。初学者には、言語学の全体像をコンパクトに知ることが出来るという点で、有益な論文だと思います。

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2006年12月31日日曜日

いよいよ年末です。冬休みもちょうど半分が終わりました。せっかくの年末なのですが、朝から腹痛に苦しむ始末。いやな2006年のしめくくりです。。。体調の問題もあり、今日は勉強できませんでした。

今日のエンターテイメント

●中国人と台湾人の友達で年越しパーティー。色々と中華料理をご馳走になりました。

●キャンパス内のパブで友達とカウントダウン。やはり、年を越す瞬間というのは、ドキドキしますね。

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